温泉の特徴を決めるもっとも大きな要素のひとつは、ズバリ「泉質」にあります。
「泉質」は湯に溶ける含有物によって分けられ、泉質名がつくられるのは療養泉の条件を満たしているものですから、まさに泉質、及び泉質名は温泉たる要と言えるでしょう。
無色で刺激が少なく、もっとも湯当たりしにくく、塩化物泉と並んで日本でもっとも多い泉質です。優しい泉質なので子供や高齢者にも向いていて、誰でも安心して入れるので「家族の湯」とも呼ばれています。脳卒中のリハビリなどにも利用されています。また、pH7.5以上は「美肌湯」とも称されます。
単純温泉と並んで日本でもっとも多い温泉です。海水の成分に似て食塩を含み、よく温まります。皮膚に塩分が付着をし、汗の蒸発を防ぐため、保温効果が高く、湯冷めしにくいことから「温まりの湯」(熱の湯)と言われます。また塩の殺菌効果で傷にも良い泉質です。
古い分類では、「重炭酸土類泉」「重曹泉」と言われていた泉質です。重曹泉(ナトリウムー炭酸水槽塩泉)は皮膚の表面を軟化させ、皮脂や古くなった角質などを落とす効果があり、皮膚を滑らかにするため、こちらも「美人の湯」と言われます。
保温効果、肌の蘇生効果があり、昔から「傷の湯」「脳卒中(中風)の湯」と言われています。硫酸塩泉はさらに細分化され、カルシウムー硫酸塩泉(石膏泉)、ナトリウムー硫酸塩泉(芒硝泉)、マグネシウムー硫酸塩泉(正苦味泉)、アルミニウムー硫酸塩泉(みょうばん泉)があります。
炭酸ガスを1000mg/kg以上含む温泉で、入浴すると小さな気泡として身体に付着する炭酸ガスは皮膚から吸収され、毛細血管や細小細胞を拡張し、血流を良くするため、温度がぬるめでも保温効果は高いです。
総鉄イオンが20mg/kg以上で、空気に触れて酸化すると茶褐色になります。浴用としてはよく温まり冷え性に効果があるほか、月経障害にも有効です。鉄分を含むため、飲めば貧血に効果があります。
水素イオンを1mg/kg以上含むものです。口に含むと酸っぱく、殺菌作用があるため、皮膚病に効果があります。ただ、肌の弱い人は湯ただれを起きしやすいため、入浴後はシャワーなどであがり湯をしましょう。また刺激が強いために病弱者や高齢者、皮膚の弱い人には適しません。
日本はよう素の主要生産国です。平成26年の温泉法の改定によって泉質に加えられました。非火山性の温泉に多く、放置すると黄色く着色します。飲用するとコレステロールを制御します。
硫化水素イオンとオチ硫酸イオンが主成分の「硫黄型」と遊離硫化水素が主成分の「硫化水素型」の種類があります。硫化水素型は乳白色になる傾向があり、血管拡張効果が高いことから高血圧症や動脈硬化症にもいいです。また殺菌効果があるので慢性皮膚病にも向いています。
天然の放射線物質「ラドン」を含みます。無色透明で薬効が高く、数が少ない貴重な温泉。痛風、糖尿病に効果があります。温泉に含みまれる放射線物資は気体で体内に取り込まれ、吸気とともに排泄されるので身体にたまる心配はありません。